飛行航跡6 Centre of Gravity Track (CGT)

 

2013.7.25

●P-15パターン


1. Golf Ball(Two 1/2 Rolls)--K3
2. Half Square Loop On Corner(1/2 Roll on 2nd 45 Degree Line)--K3
3. Double Immelman(Two Knife-Edge Flights in Horizontal Legs)--K5
4. Half Square Loop(1/2 Roll Down)--K2
5. Stall Turn(1 1/4 Roll Up, 3/4 Roll Down)--K5
6. Reverse Cuban 8(1/2 Roll on 45 Degree Up Line)--K2
7. Roll Combination(Consecutive Three 1/6 Rolls, Three 1/6 Rolls in Opposite Direction)--K5
8. Pull-Push-Push Humpty Bump(3/4 Roll Up, 3/4 Roll Down Exit Inverted)--K4
9. Top Hat Inverted Spin(2 1/2 Turns)--K4
10. Pull-Knife-Edge-Push Humpty Bump(1/2 Roll Down, Exit Inverted)--K4
11. Reverse Cuban 8(Consecutive Two 1/4 Rolls, Consecutive Two 1/2 Rolls in Opposite Directions)--K4
12. Figure 9(Consecutive Four 1/4 Rolls Up, Exit Inverted)--K3
13. Hour-Glass(1/2 Roll, Full Roll, 1/2 Roll, Exit Inverted)--K4
14. Stall Turn(Consecutive Two 1/4 Rolls Down)--K3
15. 45 Degree Up Line(Consecutive Two Rolls in Opposite Directions)--K4
16. Split S with 1/2 Roll--K1
17. Avalanche(Snap Roll on Top)--K4

 

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●演技について

FAI競技規定はこちら↓です。

FAI Sporting Code

 

世界選手権など直接関係無いと言われるかもしれませんが、ルールを知っておくことに損はありません。

パターン飛行(競技)は、ルール通りに飛ばすのが目的だからです。

 

パターンの演技種目に派手さはありません。

難しい技が出来るに越した事はありませんが、それより、言われた通りに飛ばせるのを良しとします。

 

例えば、どんなに機体コントロールが上手でも、演技の前後に直線が無ければそれだけで減点になってしまうのです。

 

●演技の大きさ

演技の大きさや高度、Rなどについて、「何メートルの大きさで」と言った寸法の決まりはありません。
要は、フレームの範囲内で、見易い演技をすれば良いだけです。
また、「採点において、上昇力やスピードなどの機体性能の影響があってはならない」ともなっています。
スピードや演技の大きさを競う訳では無いですし、逆に、ゆっくり優雅に飛んだとしても、ラインが曲がってしまえば何にもなりません。
飽くまでも航跡が重視されると言う事です。
 
この様な事から、個々の演技の大きさはパイロットの判断次第となるのですが、フレームの制約があるので、演技によっては自動的に大きさが決まってしまうものもあります。

 

決められたフレームの中でどの様な演技をしたら良いのか。

次の様な図を描いて、各演技の大きさやスタート位置を考えてみる事にします。

実際に自分で作図してみると、「何故そこでそうしなければならないのか」が良く分かって来ます。

この図は飛行プランの一例で、フルサイズ機では下側の飛行高度がもう少し下になるでしょう。

 

2013.7.26 8.19 10.26追記

●大きさの決まってしまう演技

見易さやアピール度からすると、フレーム全面を使って演技する事が理想になります。

つまり、スピードが遅くて小さい演技をするなら近めのコース、スピードが速くて大きい演技をするなら遠めのコースとし、パイロットからの見た目の大きさがフレームに合う様にします。

もし逆に、近めで大きい演技ならフレームアウトしてしまうし、遠くで小さい演技なら見栄えがしなくなってしまいますから、当然の事ですよね。

フレームの大きさが限られている以上、

P-15.01 ゴルフボール

P-15.06 ハーフ・リバース・キューバン8

P-15.13 アワー・グラス

などの演技は自動的に最大の大きさが決まってしまう事になります。

 

●P-15.01 ゴルフボール

Rの統一や直線とロール位置を考えると、上図の大きさと形になります。

交点は低い所にあります。

 

ただ、演技説明だけからすると、

Rの大きさとラインの組み合わせによっては、次の様な事も考えられます。

ロールはラインの真ん中で行うのが原則ですから、AとCでは45°ラインのロールがセンターで重ならない事になります。

 

規程のどこかにゴルフボールの注釈があるのかもしれませんが、この辺の事は次の講習会の時にはハッキリとするでしょうから、取りあえず今は一番無難なBを目標としておきます。

 

 Bの下側はちょうどキューバン8の形をしていますが、この大きさのキューバン8はちょっと小さい感じがします。

 

図形が理解出来ても、それがパイロットからどう見えるかが大事なので、リボンで表現してみました。

 

左からの進入として、スタート位置は1/3ラインを過ぎてからです。

・45度ラインの見え方

・翼面の見え方が反対に切り替わるポイント

・頂上部のRの描き方

などは、こんな感じになります。


 

 

←交点はキューバン8に比べて、低い所になります。

45度降下時の目標点はフレーム1/2位置よりも内側です。

Rは「大きくも無く、小さくも無く」と言った微妙な大きさです。

演技の大きさはこれが最大なので、交点の位置、地上目標点、Rなどがこれより大きく・遠くならない様に注意します。

 

 

●P-15.06 ハーフ・リバース・キューバン8

飛行航跡5に書いた事ですが、演技前のラインや45°ラインで大きさが決まります。

水平ラインは遠くに行くに従って下がって見えるのが正解。

垂直に写るのは視界の真ん中部分だけです。

 

 

P-15.13 アワー・グラス

Rの大きさは6カ所同一で、全体の大きさはこんな感じなります。

(都合で、下のリボンの色分けにはロールが含まれていません)

正確な図形を描く為に、最初の1/8ループは、センターラインより手前で開始します。

そうしないと、最初の45°ラインと最後の45°ラインが同一線上になりません。

またこの事から、抜けの1/8ループはセンターラインを越えた所での終了となります。

↑ 開始時、真正面を見ている時の画像です。

この画像から、「上を狭めて描く」と勘違いしないでください。

 

機体を追って目が動けば、「その時の真ん中」が垂直になります。

 

図形は縦長で、左右の幅はそんなに広くありません。

センターから1/3ライン以内に収まります。

 

「スクエア・ループ、ウィズ1/2ロール」では1/3ラインを越えて行う事が多かったのですが、それに比べると底辺が短くなります。

当然、ロール前後のラインも短めです。

 

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2013.8.5

ミュゼットのP-15パターン動画

F3A P-15 201384←演技名入り

F3A P15 201384 stabilize←手ぶれ補正したらシミュレータの様な画像になった。機体の動きが良く分かる。 

 

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2013.8.29

大きさの決まってしまう演技を先に取り上げてしまったので順番が前後しますが、他の演技についても書いてみます。

 

P-15.02 ハーフ・スクエアループ・オン・コーナー

上側の45°ラインだけに1/2ロールが入ります。

45°ラインの見え方は前にも出ましたが、上の方が「立って長く」見えます。

パイロットからすると45°の見極めが難しい所ですが、外野としては、鉛筆を立てるなどして「終了位置がスタートの真上かどうか」で判断することができます。

 

●P-15.03 ダブル・インメルマン、2ナイフエッジ

図形としては正方形の両側に半円がくっついた状態です。

その上下の水平ラインでナイフエッジ飛行をします。

 

この演技は視線を横に振る幅が大きいので、瞬間しか捉えられない静止画像では全体の表現は出来ません。

「半円の開始と終わり」や「真ん中の正方形」などに注意して図形を描きます。

 

全体の大きさはある程度自由ですが、後から出て来るハンプティをオプションにした場合のトップハットの描き方や、全体の飛行時間も考えて大きさを決めます。

 

●P-15.04 ハーフ・スクエア・ループ、1/2ロール

Rを等しく、ロールの前後には同じ長さのラインが入る、

非常に基本的な演技です。

 

F3Aは重心位置の描く航跡を判断するので、風に対するピッチやヨーの機軸のズレは減点対象にはしません。

実機とは違う点なので注意が必要です。

風のある時は機体が(ピッチやヨー方向に)傾いた姿勢で降りて来るのが正解です。

 

 

 

 

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2013.9.17

P15.05 ストール・ターン(1 1/4 Roll Up, 3/4 Roll Down)

 

上昇中に1-1/4ロール、下降中に同方向の3/4ロールを行います。

難易度としてはそれ程高く無いと思うのですが、係数K=5なので得点への影響は大きくなります。

 

 

真正面でのストールターンは珍しく、しかも機体の平面形を見せてのターンですから、出来不出来がハッキリしてしまいます。

そこで、(演技としては前後の水平飛行や引き起こしのRも含まれるのですが)頂点のターン部分についてもう一度考えておくのも良いでしょう。

 

まず、ターンの主要なポイントは、「機体の重心が完全な垂直ラインを描く事」です。

真っすぐに上がり、重心点を旋回軸にしてヨー方向に180°回転して、同じ経路を降りて来なければなりません。

 

上昇と下降のラインにズレがあればその程度によって減点されます。

重心点を軸に回転→減点無し

半径1/2翼長(経路ズレ1翼長)以内の回転→減点1

半径1翼長(経路ズレ2翼長)以内の回転→減点2〜3

半径1-1/2翼長(経路ズレ3翼長)以上の回転→減点4〜5

半径2翼長(経路ズレ4翼長)以上の回転→ウィング・オーバーとして0点

 

 

減点項目としてはこの他に、

ターン開始前のスライド飛行→減点1

ターン中のロール方向やピッチ方向のズレ→15度/1点ルール

旋回後の振り子運動→減点1

と、なっています。

但し、機体が失速している状態において風に流された分は減点されません。(区域外飛行は許されない)

 

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2013.9.18

それと、ここから先はF3A飛行演技ガイドには細かく記されていない事ですが、回転を始めるタイミングの問題があります。

垂直上昇がいくら上手くいっても、ラダー打ちのタイミングが早ければ機体がスライドしたり、経路ズレの原因になってしまいます。

また反対にタイミングが遅れると、自由落下部分が長くなってターン全体の形が崩れてしまいます。

 

演技ガイドの最初には、『このガイドは全ての演技方法を網羅するものでは無い』とありますが、

より完成度の高い演技の為には色々と細かい配慮も必要と思うのです。

 

●回転運動中の重心位置の動き

図の左のイラストは理想的な回転をした時の機体の動きです。

中間のa,b,c,dは、重心マークの時を回転スタートとし、矢印先端部分で終了した場合の重心位置の動きを表しています。

 

簡単に言うと

a. 回転スタートのタイミングが早い

b. 最適なタイミング

c. タイミングが遅い

d. 上死点からの落下

と、なっています。

 

bの最適タイミングに比べ、aやcは移動距離が必要量以上に長くなっているので、経路ズレが少なくても最良の出来とは言えません。

dやその右のイラスト、或いはもっとタイミングが遅くなって重心が後退を始めてから回転する様では、テールスライドの要素が強くなるので、場合によってはストールターンと見なされず0点となってしまう事があります。

小回りをさせる為に、垂直上昇のスピードがゼロになる瞬間に、垂直尾翼の片側に風圧を受ける様に操作して、機体の落下も利用してターンを完了すると言うやり方がありますが、この方法は、回転中心の移動が大きくなるので、やはり最良の方法とは言えないのです。

 

実機の方では、重心の移動量と減点について、円を使って説明しているサイトがありました。

http://acroclub.com/jnac/pdf/class/js04.pdf

 

 

 

円なので、上下左右のズレについて対応出来ています。

重心の移動が翼長の半分以内に収まれば減点は無しで、それ以降は翼長の半分ごとに1点ずつ減点が追加されます。

 

また、この減点量はF3Aの基準とそれ程大きな違いは無いものともなっています。

 

 

 

 

これに先ほどの、a,b,c,dの例を当てはめてみると、それなりに点数に差がつく様子が分かります。

 

 

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2013.10.5

●落下運動

飛行機がストール・ターンの様な失速を伴う運動をする時は、放り上げられたボールと同じの運動をするだけです。

 

物体が空気抵抗を受けながら落下している時の様子は計算で求められるので、

計算サイト

http://keisan.casio.jp/exec/system/1164007737

を使って、「ある時間」落下した時の「距離」と「スピード」を調べてみました。

 

入力項目の空気抵抗係数など全く分からないので、仮の抵抗係数を入れて空気抵抗と釣り合う「終端速度」を出してみて、そこから逆に推察です。

色々やってみると、落下初期の極短時間においては、抵抗係数の影響はあまり大きくない事が分かります。

つまり、ターンにかかる時間程度では、姿勢変化によって抵抗が変わったとしても、その違いはあまり出ない様です。

 

計算は、例えば、重量5kg、空気抵抗係数0.01としてみると、

0.5秒→1.2m  17km/h

1秒 →4.8m   35km/h

1.5秒→10.9m   52km/h

といった感じになります。

 

1秒落下するだけでも4m以上と、結構な距離になっています。

これは、翼長2mの機体だと、翼長の半分ごとに-1点とすれば、3~4点の減点に相当します。

まぁ、実機の採点基準なので、これで点をつける訳ではありませんが、

何れにしても、落下に1秒かかる様なターン、つまり、上昇部分を含めると、回転開始から終了までに2秒かかる様なターンでは、結構な移動距離になっている事が想像出来るのです。

 

大きい機体がゆっくりターンしているのは、浮いている感じがして優雅に見えるかもしれませんが、時間がかかっているという事は、実際にはかなりの落下距離があるという事なので、その部分には注意が必要と思われます。

 

 

同じ様な事ですが、「落下距離」から「時間」を求める事も出来るので、

http://keisan.casio.jp/exec/system/1238740974

「翼長分」落下する時の「時間」を調べてみました。

 

小型機: 翼長1.1m(重量1.1kg 係数0.01)なら

1/2翼長(0.55m)→0.33秒

1翼長(1.1m)→0.48秒

1.5翼長(1.65m)→0.58秒

 

F3A機: 翼長2m(重量5kg 係数0.01)なら

1/2翼長(1m)→0.45秒

1翼長(2m)→0.63秒

1.5翼長(3m)→0.78秒

 

実機: 翼長7m重量(重量800kg 係数1)なら

1/2翼長(3.5m)→0.84秒

1翼長(7m)→1.2秒

1.5翼長(10.5m)→1.47秒

 

 

翼長が基準なので、当然大きい機体の方が時間も長くなりますが、実機と同じ比率の上下移動量にする為には、相当テキパキと回転しないといけない事が分かります。

 

ストール・ターンが「逆U時型」になってしまえば当然減点ですが、「I(アイ)型」でも色々な出来映えがある事に気をつけなければならないでしょう。

 

因にミュゼットの場合では、動画を見るとターンにかかる時間は1秒ちょっととなっています。

その半分の時間、0.5秒での計算上の自由落下距離は1.22m。

何とか翼長に近いところに収まるでしょうか?

 

 

それと、話は変わりますが、

落下の計算式を使って、機体重量による落下の違いを調べてみるのも面白いものです。

 

例えば1kgクラスの機体が100g変わると、5秒後にはこんな感じになります。

K=0.008 と仮定

1000g→95.8m  112km/h

1100g→97.5m  115km/h

1200g→99.0m  118km/h

1300g→100.3m  121km/h

1400g→101.5m  123km/h

1500g→102.0m  126km/h

 

落下時間が長くなると空気抵抗係数の影響が大きくなるので、ホントの所は分かりませんが、興味があったら色々試してみてはいかがでしょう。

 

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2013.10.11

●トランポリン

飛行機のストールターンは背景の無い遠く離れた場所で行われるので、見極めが非常に難しくなっています。

その点、トランポリンなら、似た様な運動を近くでハッキリと見る事が出来ます。

トランポリン 中田大輔」

 

ジャンプの周期は約2秒。

奇麗に見えるストールターンはどんなものなのか、じっくり考えてみる良い材料になりそうです。

 

 

イメージとしてはこんな感じになります。

時間で言うと、横断幕よりも上にいる時間が1秒ちょっととなっています。

空中に停止している様に見えるとすれば、この程度の時間の範囲なんですね。

 

 

 

 

ターンに2秒かかるというのはどんな事なのかも、想像してみてください。

トランポリンでの滞空時間は2秒以下なのです。

 

話が、実機からトランポリンと広がってしまったので、この辺で元に戻す事にしましょう。

模型の競技において実機の基準を適用する事は、ルールが異なっている場合もあるので、注意が必要です。

 

ただ、演技ガイドに記載されていない事の補足や、演技の完成度、芸術性などの見極めには、広い視野を持つ事も必要ではないかと思うのです。

 

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2017.11.30

●ターンの出来栄え

 

ストールターンに関して、P-19パターンの解説図の中の「P-19.09.02」の上の方に、

「Stop before pivot」「Pivot on CG」と、あります。

同じ様な表現は、P-17の時にもありました。

 

 

ここで、「重心上で回転」というのは頷けますが、「旋回の前に停止」ですか?

 

停止という事は頂点に達したという事です。

 

その後は落下となるので、「落下しながら重心の周りに回転」という事でしょうか?

 

 

 

 

落下中の回転は、この図だとdの状態です。

 

これでは、機体が180°回転する間に大きく高度低下するので、機体の重心を空中にピン止めした様な回転にはなりません。

 

しかも、もし回転開始のタイミングが遅れ、機体が後退してしまうと、テールスライド演技となって0点となる可能性もあります。

ストールターンの練習を始めた頃の事を考えると、前後左右にパッタン・パッタンを繰り返し、そのうち横に倒す事に慣れ、「ストールターンとはこんなものか」と思ってしまうものです。

 

また、F3Aの規定には、重心の左右のズレに対する記載があるだけで、実機の様に上下のズレについては触れられていません。

 

これがF3A流の演技と言われればそれまでです。

 

でも、たまたま横にひっくり返った様な挙動が「ストールターン」演技では、ちょっと味気ない感じがします。

イラストの左と右のターンで、どちらが綺麗で完成度の高い「Pivot on CG」に見えますか?

 

FAI Sporting Codeの5B.8.11. STALL-TURNSにストールターンの説明があるので、F3Aの流儀は確認しておいた方が良いみたいです。(英語なので解釈が微妙になりますが)

 

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2014.5.3

 ●P-15.07 ロール・コンビネーション(1/6×3、-1/6×3)

 

 

60°を正確に出すのは意外と難しい事です。

 

この場合、時計の文字盤を思い浮かべると理解し易くなります。

 

 

 

3時の所にある「翼端」に注目し、

その点を1時、11時と移動させる様に操縦するのです。

 

人それぞれに操縦方法や考えがあると思いますが、私の場合、この様に「翼端を注視」する様にしてからステップアップ出来たとも思っています。

 

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2014.5.8

●視点について

翼端に視点を置いた時の操縦感覚をちょっと説明してみましょう。

機体が上写真の様な姿勢の後に、1,2,3,方向に運動するとします。

 

1.通常の上昇旋回

主にエレベーター操作だけの旋回になるので特に説明するまでも無いですが、翼端が滑らかなラインを描く様に操縦する事で、機体の落ち着き感が増します。

 

2.サイドスリップ

「左翼端を見る=左ラダー」とも関連付けておきます。

サイドスリップでは、ラダーを当てておいて、エレベーター・アップとスロットル操作で、方向と高度を制御します。

 

3.逆バンク旋回

「左翼端を見る=左ラダー」の認識を更に強くし、ラダーで強引に矢印方向へ引っ張ります。

 

続いてローリング・ループでは

 

(クリックでYouTubeへ)

この場合も左翼端に注目し、「左翼端を見る=左ラダー」と言う認識を持ちながら翼端が奇麗なラインを描く様に操作します。

3枚目の真下を向く辺りではしっかりラダーを入れて機体をスリップさせ、ブレーキをかけます。

特に4枚目辺りでは、ラダーで釣りながらしかも同時にエレベーター・ダウンも入って来ますから、かなりの見せ場ともなります。

 

この様に、翼端を注視する事で、ロールの精度が上がったり、ラインの滑らかさや落ち着き感が増すのですが、この辺りが上手くいった時には飛行機を操縦する最高の醍醐味を味わえるのです。

 

 

 

 

 

 

 

 

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2014.7.29

●演技面と飛行高度

ミュゼットに高度計を載せてみたところ、ダブル・インメルマンの上辺を高度120mで飛行させるのがちょうど良さそうな事が分かりました。

そこで、以前描いたパターン図を若干修正し、飛行高度も新たに描き加えてみたのが下の図になります。

左側の目盛りはミュゼットの飛行する90mコースでの飛行高度、右側目盛りは想像になりますが、フルサイズ機の175mコースを想定しての飛行高度になります。

 

F3A規程には演技寸法の指定は無いので、これはあくまでも演技プランの一例に過ぎません。演技の大きさ(実寸)は、機体のスピードや上昇能力によって異なるものです。

飛行演技ガイドには「模型の性能・推力装置が採点審査に影響を与えてはならない」とありますが、機体性能による実寸の違いが直接点数に結びつく事はありません。

大きい演技の方が点数が良くなる、なんて事があったらおかしな事になってしまいますからね。

人の乗らない模型飛行機なので、要はパイロットからの見た目の大きさが問題になります。

飛行コースを前後させ、許された演技面を有効に使う様にすれば良いのです。

但し、機体の大きさが限られているので、175m以上離れたコースでは視認性の点から減点となり、200m以上ともなると自動的に2点が減点される事になっています。

 

それで、この図から特に実際の飛行で気をつけたい点としては、次の様な事があります。

・ダブル・インメルマンの2回目のループの抜けを高度120mまで持って行く。

 これによって、次の、ハーフ・スクウェア・ループ(1/2 Roll Down)に余裕が生まれる。

・フィギュア9の抜けからアワー・グラスまでの繋ぎ飛行は高度90m。

 

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2014.10.16

●パイロット目線

P15パターンの航跡図をさらに拡大して、パイロット位置から動画撮影してみました。

航跡図(p15_1.pdf〜p15_6.pdf)もアップしておいたので、印刷して利用してみてください。

(A4サイズ24枚で、図面の都合で重ね合わせがダブっているところもあります)

大きな図を実際に自分の目で確かめてみると、動画では得られない新たな発見があるかもしれません。

 

機体だけを注視しているパイロットには、この映像の様に飛行ラインが歪んで見えます。

これでは中々正確な図形は描けません。

でも、動画のラストの方に載せた、視点をずらして視野を拡大した見方をすれば、歪みも少なく正確な図形を描き易くなるものです。

 

実際には中々出来る事ではありませんが、パターン飛行のパイロットにはその両方の目線を使い分ける事が必要と感じています。