飛行航跡2 Centre of Gravity Track (CGT)

 

2011年2月27日に行われた「電動機の集い パターン編」でのミュゼットのフライト

http://www.youtube.com/watch?v=fPJYSE5-BAI&feature=channel_video_title

から、P11パターンの航跡を描き出してみます。

 

背景は、動画の1コマ1コマを回転させたり拡大させたりして貼り合わせたもので、水平や垂直のラインはこんな感じになっています。特に右上や左上ではかなり酷い歪みとなっています。

 

 

まずは、フィギュアM〜45°降下4ポイント・ロールまで。

左風でのスタートです。

 

フィギュアMでは、開始高度に対してセンターと抜けの高度が不揃いです。

恐らく、センターで手前に寄ってしまったのでしょう。

両方の垂直ラインが上で狭まって見えるのは画面の歪みのせいで、実際に大きく曲がって上昇している訳ではありません。

右のストールターンで半径が大きく、往復の経路のズレが目立ってます。

ローリングループは、前半でRが大きく、後半で小さくなっています。

 

F3Aの審査基準からするとミスがある毎に減点なので、以上の事だけでも相当な減点になってしまいます。

その上に、動画からは確認出来ないロール方向の減点が加われば、点数は無くなってしまうかもしれませんね。

実際には航跡図で採点される訳ではないんですが、厳しい目で見られれば少ない点数が出ても当然という事になります。

 

ハーフ・スクエア・ループ・スナップは近めだったので大きくなっています。

45°降下4ポイント・ロールのセンターは合っていました。

 

ハンプティ・バンプ 〜 キューバン8 〜 ハーフ・ループ

 

ループは抜けで高度が下がっています。

また、キューバン8では、2個目のループが下がっていて上空での抜けが低くなっています。

 

毎回、同じ様な航跡しか描けていないので、試しに昨年の航跡図と比べてみる事にしました。

風向きが逆なので、反転させてみるとビックリ!

ほとんど同じ様な航跡となっていました。

 

という事は、地形とか合成画面の歪みよりも、自分のフライトに一番の問題があったのです。

 

下の画像で、黄色が以前のライン、赤が今回のを反転させた物です。

 

 

 

キューバン8の抜けが下がらない様にとは思っていたのですが、ループ自体の高さとバランスにもっと気をつけなければいけません。

 

ハーフ・ループ ~ スピンまで

 

 

 

ハーフ・ループは小さい演技になってしまい易いのですが、歪みの大きいこの画像ではその判断が出来ないのが残念なところです。

ストールターンやダブルインメルマンの抜けがちょっと不揃いでしたが、全体的にはまとまりがありました。

 

 

おまけ。

次期P13パターン草案にあったTriangle with roll in each line

 

Rの大きさや45°ラインの見え方の確認には役立ちそうです。

 

続いて、同日フライトしたフルサイズパターン機の航跡を描き出してみます。

http://www.youtube.com/watch?v=sjnG43owvqA&feature=player_embedded

さすがにこのクラスとなると機体に落ち着きがあり、各ポイントを繋ぐ作業でもその滑らかな動きを感じる事が出来ました 。

 

まずは、フィギュアM〜45°降下4ポイント・ロールまで。

上記とは違って右風でのスタートです。

フィギュアMの最初のストールターンでは妙な形になっていますが、これはカメラを振り回した時のズレや背景の歪みのせいなので、実際に大きく曲がってフライトしていた訳ではありません。

ただ、動画を見ると、ストールターンの回転半径が大きかった事は確かな様です。

2・スロー・ロールズでは高度変化が少なくて滑らかな航跡でした。

演技毎の細かい点は、背景の歪みや機体の遠近にもよるので読み取りは中々難しいですが、フィギュアMと45°降下4ポイント・ロールでセンターが異なっているといった程度の大雑把な判断は容易にできます。

 

 

ハンプティ・バンプ 〜 キューバン8 〜 ハーフ・ループ

8Pループを丸く見せる事は難しく、この演技ではループの開始と終了時のRの違いに注目してみると良いでしょう。

オン・コーナーは、開始に対して抜けの位置が良い所にあった様です。

キューバン8は、歪んだ画像の中では場所によってRの見え方が異なりますが、左右対称という事も一つの判断材料となります。

 

 

8ポイント ~ スピンまで

 

ダブル・インメルマンは開始高度が低かったのか或いは遠かったのでしょう。

開始位置に問題があるとすれば、その前の演技、ストール・ターンの抜けの影響もあります。

残念ながら、そのストール・ターンはちょうど木の陰で見えませんでした。

スピン終了直後には明瞭な垂直降下が必要です。

 

 

ミュゼットとフルサイズ機の航跡を重ねてみました。

黄色い方がミュゼットで、風が逆なので反転させてあります。

 

 

 

この比較画像では演技の大きさに差がありますが、これには一つの大きな注意点があります。

それは、「この画像はパイロット後方20mで撮影したもの」という事です。

同じ20mと言っても、大型機の飛行コースと小型機の飛行コースとでは、離れ方の度合いが全く異なります。

小型機で行う近い飛行コースの方が、離れ方の割合は大きくなるので、その結果、見え方は小さくなってしまうのです。

両者の違いを別に作図して調べてみると、1割程度の差が出る事が確認出来ています。

つまり、パイロット目線からすれば、上記比較画像の様な大きさの違いはあまり生じていない事になるのです。

 

 

 

 

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