ダイレクトドライブとギヤダウン

 

ミュゼットで、ダイレクトドライブとギヤダウンの両方を飛ばし比べている。

 

同じプロペラを同じ様に回せば、確かに引きの強さは同じになるが、ギヤダウンにはそれ以外の何かがある。

●現在使用中のモーター

画像左から 

ZS 3020-10            160g    24mΩ       KV920÷1.22=750

E-MAX BL2826/06   195g    27mΩ       KV850

impulse 1170          150g    24mΩ       KV1170÷1.5=780

 

ギヤユニットは、Denkadoギヤボックス、モジュール1.0

 

 

●回転データ

LiFe は初期値

LiFe(A123)-4セル   APC14*7E    6900〜7000rpm    40〜42A    11.1〜11.2V    470W

LiPo(40C)-3セル   APC14*7E    6900〜7100rpm    42A〜43A    11.6〜11.9V    511W

 

気温などによって変動はあるが、どのモーターでもほとんど同じパワー。

LiFeは内部抵抗が高めなので、数秒の運転で電圧ドロップにより6600rpm以下になってしまう。

ただ、電流が小さければ電圧は高くなるし、ちょっと間を置けば電圧回復も早いので、連続フルハイで使うのでなければ全く問題無い。

 

●バッテリー

画像左: LiPo(40C)-3セル   270g   3.0Ah×11.1V=33Wh(公称値)

画像右: LiFe(A123)-4セル   312g   2.3Ah×13.2V=30Wh(公称値)

 

公称値はこの様になっているが、実際に取り出せるエネルギーとしては…

 

・LiPo(40C)-3セル  3.0Ah×11.1V=33Wh の場合

LiPoは過放電のダメージを避けるため「容量の8掛け」が基本なので、

33Wh×0.8=26Whが良いところ。

充電時間節約で満充電しなければ、もっと少なくなる。

 

・ LiFe(A123)-4セル   2.3Ah×13.2V=30Whの場合

カラ近くまで使えるが、元々の容量が2.3Ahには全然届かず、実際には2.0Ahちょっとしかない。

電圧も11V台での使用となるので、実力は

1.8Ah×11V=20Whと言った所だ。

 

●フライト感

引きそのものは地上データと同様、どれも大差無い。

ただ、安定感や操縦感がどこか違う。

具体的にどこが、と表現出来ないが、音質の違い以外の何かがスティックを通して感じられる。

落ち着きと素直さがギヤダウンにはあるのだ。

サーボの動きの差程度の微妙さなので気がつかなければそれまでかもしれないが、この辺の感じは実際に味わってもらうしかない。

 

実際に乗っていれば、恐らくハッキリと感じられるのではないだろうか。

単発大馬力のムスタングやピッツのパイロットは、ジャイロ効果をどんな風に感じて操縦しているんだろう。

 

それと、確かにダイレクトはギヤが無いだけ静かだが、それだけに、ナイフエッジループやローリングサークルで横滑りが大きくなった時の唸りがひと際目立ってしまう。

ギヤダウンはモーターとペラが別軸で回っているので、モーターに余分な力が加わり難く、音の変化も少ない。

 

「モーターとペラが別個に回っている」という点で少し書き加えておくと…

本来、ダイレクトドライブでのフロントマウント方式は歳差運動や共振現象を起こし易く、最悪吹っ飛んでしまう事もあるので、モーターの固定はガッチリとしておかなければならない。

その点、ギヤダウンではペラとモーターの回転数が違う為、共振が起こり難く、ユニットをフローティングして柔らかく搭載する事が出来る。

ただし、1:1にすると回転方向が相反していてもやはり共振が出てしまうので気をつけなければならない。

 

●ギヤダウンとモーター

ミュゼット用のモーターには、これまでの経験から160g以上のモーターを薦めている。

理由は、

味のあるフライト感覚を求めると、どうしても大きめのペラを使いたくなる。

パワーや速さだけを求めるのなら、小径ペラでも一向に構わないのだが…。

 

大きいペラを回すにはKV値が低め。

KV値が低いのは大きめのモーターとなる。

 

また、熱の面からすると、

入力400W辺りでは、損失2〜3割として100W近くが熱として逃げている。

つまり、機体に100Wの半田ごてを抱えている様なもの。

これを冷やす為にはある程度の大きさが必要で、大きいモーターの方が有利。

 

という訳で、まぁ、当たり前の話だが、大きめのモーターに軽い仕事をさせた方が具合が良いと言う事である。

 

一方、ちょっと小型でKVが高めのモーターは幾らでもある。

モーターのマグネットで得られるトルクは限られているのでパワーを出す為には回転を上げて使うしかないのだが、そんな高KVモーターも、減速して使えば見かけのKVを何とでもすることができる。

 

●モーターの大きさ

ここでモーターの大きさについて考えてみる事にする。

この場合、ステーターの大きさ(投影面積)を1つの目安とすることができる。

 

上記3種の直径×長さは、

E-MAX BL2826/06   195g   30×26=780

ZS 3020-10          160g   30×21=630

impulse 1170          150g   28×20=560

と、当然単体ではE-MAX BL2826/06が大きい。

 

減速機を使えばその比率分だけ余計にマグネットを利用出来るので、大きいモーターの様に振る舞える事になる。

E-MAX BL2826/06   195g   30×26=780      ×1.0   =780

ZS 3020-10          160g   30×21=630      ×1.22  = 768

impulse 1170         150g   28×20=560       ×1.5   =840

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

(2013.1.10)

●E-MAX GT2826/05 860KV

直径35mm 169g  30mΩ

 

LiFe(A123)-4セル   APC14*7E    7400rpm    45A    11.0V    495W

タコメーターとペラが変わったので、以前のデータと直接比較出来なくなってしまった。

 

意外にも、巻き線抵抗はE-MAX BL2826/06の25mΩ(同条件で計測)より大きかった。

まぁ、大電流で使わない限り、この辺の抵抗値の方が無駄も少なく適しているのだろう。

パワー感など全く問題無いので、コスト的にはミュゼットに最適モーターと言える。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

(2015.7.31)


Denkdoでは、ミュゼット様に十字マウントを加工して用意。

プロペラマウントのハメ合いが緩いので、テープを巻いて修正。

ガタが無くなったところでプロペラマウントを取り付ける。


 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ギヤダウンについて、2014年6月3日のブログに書いた事

-----------------------------------------------------------

時々、「ミュゼットにギヤダウンを使用したい」と質問メールを頂くが、通常はダイレクト仕様のGT2826/05を勧めている。

 

「ギヤダウンを体験してみたい」と言うのも動機の1つとして結構な事ではあるが、ギヤダウンを使う理由は性能から好みの事まで色々とあって、漠然とした動機からは大差無いと言う結果しか得られないと思うから。

-----------------------------------------------------------

 

これにもう少し説明を加えると。

電動は「入力」「効率」「出力」を別々に考える必要があって、ギヤダウンはこの中の「効率」に関わっている。


バッテリー・エネルギーの少なかった時代では「効率」の追求が重要であったが、現代においては、単に「出力」を変えたいだけなら、数パーセント台の違いしかない「効率」の追求より、何割という変化が可能な「入力」を変える方が、簡単で、結果が分かりやすい。